原作沿い3

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「ッたく、バカじゃね?」
「…私もそう思う。」

敵のいなくなった血だまりの中に、私は立っていた。
私の頭をペシッと西君が叩く。

「西は見物してただけか。」
「当たり前だろ?」
「俺らが死にそうになったらどうするんだよ。」
「それはさすがに動くッて。」

私達の周りにいた人達は、呆然としているだけだった。


【彼が望んだ世界】


「さて、これからどう動くかな。」
「全国でこんな感じなのか?」
「動きようがねぇな。」

静かに話ができるような場所に移動しよう。
そう言った北条さんに従い、私達はあるビルの中に来た。
中は誰もいないのだろう、とても静かだった。

「何処に行ってもあんなのがゴロゴロしてんだと思うと、嫌になるな。」
「動けばその分戦闘が待ってる…か。」
「何それ、面白そー。」
「悪趣味。」

とりあえずはここに泊まろう。
そんな結論に達したこの話しあい。
シーツ等使えそうな物を一気に集めた。

「一体これからどうなるんだろうな。」
「俺達、生きれんのかな。」

西君が楽しみにしていた事はこんなにも恐ろしい事だったのか。
私は一切言葉を口にせずに、ただ窓から見える空を眺めていた。
真っ赤…だ。
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