原作沿い3

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「…。」

ある朝、目を覚ますと…

「…あぁ、そっか…。」

西君が横で眠っていた。


【二人の分も】


西君は今や犯罪者。
ニュースでは西君を見つけたら通報してくださいとの言葉が並ぶ。

「少しは落ち着いたか?」
「…うん。」
「まだ寂しいわけ?」
「………うん。」

結局、100点メニューは消えてしまったのだろう。
稲葉さんも鈴木さんも戻ってこなかった。
私達が帰った後に何かあったんじゃないかと少し期待をしていたのに。

「お前の傍には俺がいる。」
「…。」
「稲森も、北条もいる。」
「…。」
「これ以上望むのは、贅沢だろ。」
「…そうだね。」

西君の言う通りだ。
私の傍には既に三人もいてくれている。
いや、氷川さんを入れれば四人か…。
それ以上を望むのは、確かに贅沢かもしれない。

「西君。」
「うン?」
「人間は…欲深い生き物だね…。」
「……良いンじゃない?」
「…言ってる事、矛盾してるよ。」
「ンな事ない。」

でも、私は一生忘れる事はないだろう。
あの二人の事を。
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