原作沿い3

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ガンツに表示される【000684901】という数字。
私達はそれをただ、見つめる事しかできなかった。


【人類に残された時間】


「いいか…これが人類に残された時間だ。」

西君の言葉に皆が「は?」というような表情を見せる。

「はッ…人類ッて…そんなの…」
「いきなり何言ッてんの。訳…判ンない。」

戸惑う桜井さんと、冷たい視線を向けるレイカさん。
私はそんな西君を庇うように、西君の横に駆け寄った。
その後に稲森さんと北条さんも続いてくれる。

「ンだよ。こッちは親切に教えてやッてンのに…まァいいけどな。信じるも信じないも。」

西君は少しもレイカさんに怯んだ様子はなく、呆れた視線だけを向けていた。

「何か…これからおこるのか…?」
「何だよ…何が始まるッつんだよ。」

加藤さんと玄野さんは気になっているように見える。
多分、西君が今までも色々と教えてきてくれたからだろう。
そうは見えないけれど、確実にこの人達の中では西君は特別な存在になっている。

「核戦争ッてのが有力な見解だけど。まだハッキリは判ッてはいない…けど…これだけは言える。」

確実に。

「これまで人類が築きあげてきた価値観は全て崩れ去る…強力な軍備を持つ者が地上を支配する。おまえらなんか真ッ先に死ンじまう。」

とても、信じる事が難しい話ではある。
だけど、西君があまりにも真剣な顔で話すから…疑う事もできなかった。
いや、私達が西君を疑うなんてあるはずがなかった。
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