原作沿い3

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転送され、見慣れた部屋に戻ってきた私。
そしてそこで見た…

「あ…あぁ…」

西君達の姿。


【生還】


西君も、稲森さんも、鈴木さんも、稲葉さんも、タケシ君も…皆戻ってきてる…!
私は涙が止まらなくて、その場にうずくまる。
直後、駆け寄ってくる西君、稲森さん、北条さん。

「何泣いてンだよ。」
「だって…だって…!」
「心配かけてごめんな。もう大丈夫だから。」
「ぐすっ…は、い…」
「よく頑張ったな、ぎょーん。」
「うっ…」

三人に頭を順番に撫でられる。
その温かさで私は再び涙を溢れさせた。

「ほら、鈴木さん達にも声かけてやれよ。」

稲森さんにそう言われ、私は鈴木さんと稲葉さんに視線を向けた。
そしてゆっくりと歩み寄る。

「あ…あの…」
「あ…」

鈴木さんだ、稲葉さんだ…。
声をかけて少しして、稲葉さんが私に振り向く。
稲葉さんの目からは、ボロボロと涙が溢れていた。
それを見たら、私からも更に涙が溢れてきて…

「良かった…良かった…」
「ぎょーん…。」
「本当に…良かった…!」

私は稲葉さんに抱きつく。

「稲葉さんっ…本当に、本当に良かったです…!!」
「うううっ…」

良かった…本当に皆良かった…。
でも…でも…坂田さんは…

「…。」

私は胸の苦しさを誤魔化すように稲葉さんを抱きしめる力を強めた。
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