原作沿い3

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何分、川の中で息を潜めているんだろう。
私達の目の前には、ぬらりひょんとは違う巨大は星人が一匹。


【負傷した仲間達と新しい仲間】


「西君、稲森さん…大丈夫…ですか…?」
「…。」
「あぁ…なんとか…。」

早く川から二人を出してあげたい。
傷を受けて水の中に入ったままだなんて、絶対辛い。

「しっかりしろよ。諦めんな。」

北条さんが稲森さんと西君を抱えてくれている。
自分だって怖いはずなのに、北条さんはいつも私達を優先してくれる。
なんて優しい人なのだろう。

「岡…。」

女の人がそう呟き、西君と稲森さんばかりを気にしていた私と北条さんは顔を上げる。
そして、初めて気付いた。
目の前の巨大な星人と戦う、もう一人の仲間に。

「す…ごい…。」

そのスーツを着た人は巨大な星人を一人で仕留めてしまった。
私達はそれを見て、今がチャンスだと西君達を陸へと上げる。
そして西君と稲森さんを転ばせた。
西君と稲森さんはいつの間にか気を失っていた。

「西君…稲森さん…。」

触れてみれば、まだ温かい…呼吸もしている。
それが彼らが生きている事を証明してくれている。
また泣きそうになったけど、ぐっと我慢した。

「加藤…さん…」

聞き慣れた声がして顔を上げると、レイカさん達が見えた。
あぁ、合流できたんだ…私達。
だけど、少し様子がおかしかった。
負傷した鈴木さんと稲葉さん…そして…

「坂田さん…は…?」

坂田さんがいない。
その名前を聞いたと同時に、桜井さんが目を伏せ…涙を零した。

「…そんな…。」

私は、その意味をすぐに理解した。
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