中編用
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私…私のせいだ…
「ひっく…うぇ…」
【男の子の死】
私はずっと涙を零して座りこんでいる。
「私がっ…最初に降りたのにっ…何もっ、できなく、て…!」
「いや…君が降りてくれたから俺も勇気が出たんだ。」
「でもっ…私が頑張ってればっ…!」
「ぎょーんさんのせいじゃないよ…。」
加藤さんが私を慰めてくれる。
なんて優しい人なのだろう。
後ろで泣き叫ぶ子供の声、その子供に怒鳴るゾクの人達の声がする。
そんな中、
「自由になりたいやつは、俺の言うことをきけ!!」
加藤さんが大きな声で言った。
「これから俺はもう一匹の田中星人を捕まえに行く!!本当に自由になりたいやつは俺に協力してくれ!!」
これからもう一匹の…あのロボットを…。
私にできるだろうか…。
そんな事を思っている私の横に、誰かが並んだ。
見上げれば、あの人。
「さっき言ってたよな…自由になる方法とか…、点数がどうとか…。」
どうやら色々気になった事があるらしく、加藤さんを睨みつけている。
「ハッキリ言って、おまえを信じて命をあずける気はしない。でもさっき帰ろうとしたら、なんだか全員頭のあたりからアラームが聞こえて一人頭が吹き飛んだ。」
帰ろうとすると、死ぬ…?
「このエリアから出ると殺されるんだ。たぶん一キロ四方くらいか。」
「もしかして全員…頭の中になんか…爆弾…みたいなの…入ってるのかな?」
「バク…ダン…。」
「そんな手術されたの覚えてねーぞ、おい。」
頭の中に爆弾…爆弾…が…?
時間が進むにつれて大きくなっていくのは恐怖だけだった。