中編用
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トラックに轢かれそうになった猫を守って死んだ。
そんな、よく聞く死に方を私は今日…しました。
まぁでも、私が死んでも悲しむ人なんていないだろうし。
だって、友達なんて一人もいない。
私を慕ってくれる後輩だって、可愛がってくれる先輩だっていない。
だから、死んでも何も変わらない。
「でも、それでも死にたくないなぁ…。」
そんな私が辿りついたのは…
「……え?」
天国でも地獄でもなく
「何処…?」
よくある一つの部屋でした。
【貴方が好きになりました】
「あ、あの、ここって…?」
「あぁ、落ち着いて。」
「は、はい…。」
私は確かに死んだはず。
それなのに、どうしてこんな所にいるんだろう。
よく、分からない。
加藤と呼ばれる男の人が私を落ち着かせてくれる。
「はァ?」
その直後、真後ろから男の人の声がしてビクッとしてしまった。
恐る恐る振り向けば、そこにはヘルメットを被った男の人。
その人がヘルメットを取った直後…
「あ……」
私の心がドクンッと大きな音をたてた。