原作沿い3

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ジジジッという音がして振り向けば、氷川さんが転送されてくるのが見えた。
続いて、あのお姉さんも転送されてきた。

「氷川さん。」
「ほらな、信じて良かったろ。」

そう言って頭を撫でられた。
優しいなぁ。

「あれ?」
「?」

桜井さんが戸惑いを見せる。
続くように、他の皆も。
西君達だけは、気にしてないようだったけれど。

「加藤は?」

稲葉さんの言葉に、私も周りを見る。
そういえば、加藤さんの姿が何処にもない。

「おいガンツ、採点はじめろ!!」

皆が加藤さんの名前を呼ぶ中、痺れを切らしたかのように西君がガンツを怒鳴りつける。
それでもガンツは採点を始めようとはしない。

「もしかして…」

ボソッと北条さんが呟いた直後…

「!」

加藤さんが転送されてきた。
加藤さんに駆け寄る皆。
私も駆け寄りたかったけど…

「…。」

あの強い絆に結ばれた輪の中に入りにくくて、遠くから見つめるだけにしておいた。
でも、

「何してんだよぎょーん。」
「君もおいで。」
「そうだよ。」

稲葉さん、鈴木さん、桜井さんにそう言われ…

「………っ…加藤さん…おかえりなさいっ!」

私は加藤さんに駆け寄る事ができた。
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