中編用
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お昼ご飯も一人。
食べる友達もいないし。
「…。」
昨日返してもらったハンカチを見つめる。
寝れば諦められるかと思っていたのにな…。
そう簡単に諦めたりはできないみたい。
「はぁ…。」
どうしよう、なんだか今日はお弁当が美味しくない。
それに、お腹もすいてない。
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放課後、いつものように一人で帰る。
北条さんは勿論いない。
まぁ、当たり前だよね。
ハンカチを返しに来てくれただけなのに。
「はぁ…。」
昨日、北条さんと別れた道について思わずため息をつく。
そして真っ直ぐ進んだ。
「お前の家、こっちじゃないわけ。」
後ろからかけられた声に思わず立ち止まる。
この声は…
「あ…」
恐る恐る振り向けば、そこにはあの人の…
「嘘つきやがったのかお前。」
北条さんの姿があった。