原作沿い3

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「俺と西と北条、誰がトドメさしたのかめっちゃ気になるなー!」
「別に、どうでも良い。」
「俺だろ。」

ぬらりひょんを仕留めたのは西君、北条さん、稲森さんの誰か。
三人の会話を聞く事にはそうらしい。
北条さんも稲森さんも、どんどんミッションに慣れていってるなぁ…。
私、三人の足手まといになってないだろうか…。

「…おい…残念な事に…転送は当分後みたいだぞ。」

驚きに目を見開いた北条さんが小さな声で呟く。
その声に導かれ、私達はぬらりひょんの血溜まりに視線を向けた。
そこには、今さっきのぬらりひょんとは思えない別の星人の姿。
まさか…ぬらりひょんは姿を変えて再び復活を…?

「ふふ、ふふふ、ふふふふふふふふ」

不気味な笑い声が響き渡る。
なんて…なんて恐ろしい姿に笑い声…。
カタカタと自分の腕が震えているのが分かった。
それに気付いた北条さんが私を背中に隠してくれる。

「なんや…これ…ふッ…こんな…ん」
「もう…も…殺され…」
「う…動い…ちゃ、動いちゃ…だめだ…」

カタカタと同じように体を震わせる大阪の人達と加藤さん。
西君は一人冷静に姿を消した。

「ぎょーん…相手を刺激するなよ…。」
「怖いなら…ずっと俺の後ろに隠れてろ…良いな…。」

北条さんと稲森さんの体も震えている…。
そうだよね…やっぱり怖いよね…。
明らかにいつものミッションとは、レベルが違いすぎるんだもの…。
それでも、それでも二人は私を守ってくれようとするんですね…。

「はぁっ…はぁっ…」

声を出すな。
悲鳴をあげるな。
泣くんじゃない。
恐怖に支配されるんじゃない。

「…はぁっ…」

そう思っていたのに…

「う゛あ゛あ゛っ!!」
「がっ!?」

そう思って…いたのに…。
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