原作沿い2

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「はぁっ…はぁっ…」

恐る恐る自分にXガンを向ける。
今撃てば、自分は死ぬ。
私は…死んでしまうんだ。
爆発して、死ぬ。

「稲森さん…」

ここで死ねば、きっと三人は…

「北条さん…」

きっと…星人とももっと集中して戦えるはず。

「西…君…」

カタカタと手が震える。
何してんだ私は。
西君のために、稲森さんのために、北条さんのために死ぬべきなんだ。
あの三人のために…

―ぎょぎょっ!―

―ぎょぎょっ。―

―ぎょんぎょん。―

「うっ…あ、あぁ…」

涙がボロボロと溢れる。
駄目だ、私、全然駄目だ。
自分を殺す事がどうしてもできない。

「ひっく…う…」

三人に会いたい。
まだ、これからも一緒にいたい。
そう思う自分が…大き過ぎて…。

「ごめんなさい…ごめんなさいっ…!」

死ねなくてごめんなさい…。
ごめんなさい…。
顔を手で覆って泣き続ける。
そんな私を、誰かが抱きしめた。
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