原作沿い

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※北条side※

やっと転送されたと思ったら、辺りは真っ赤に染まっていた。
暴れていたアリス星人は、今はもういない。
襲われかかったのを稲森が助けてくれたからだ。

「ふぅ…」

やっぱりガンツに表示されるのは比較的弱い星人だ。
しかし、主人公が弱いってどうなんだよ。
そう思いながら立ち上がる。
間違えて星人を仕留めたからな…後でぎょんに謝らないと。
立ち上がってため息をついた直後、

「うわあぁあぁあっ!?」

俺に何かが乗っかってきた。
再び俺は地面に倒れる。

「うわー…」

稲森が目を丸くして俺の上に乗ったものを見ている。
玄野も同様。
何が乗っているのか確かめたくて視線を上に向けた。
そこには…

「う…さぎ…?」

兎と言うには巨大すぎるが、確かにそこには兎がいた。
俺の上に乗っている。
すっげぇ重い。
っていうか、なんかこの兎息がすげぇ荒いんだけど。

「あ、そういえば…」

稲森が思い出したように手をパンッと叩く。
何だよ、早く言えよ。

「不思議の国のアリスって、三月ウサギだよな?」
「それが何だ?」
「当時の三月は野うさぎの発情期の始まりで気が違ったように見えるって説があるって聞いた事があるぜ。」

それを聞いた俺と玄野の顔が青ざめていく。
それはつまり…

「俺が…ターゲットに…されてんのか…?」

恐る恐る兎の顔を見る。
兎は俺と目が合うと、ニタリと笑った。

「う…」

スーツの力で筋力をアップさせる俺。
そして、兎を思い切り吹き飛ばした。

「うおおおおおおおおおおおっ!!」

兎は壁に激突する。
しかし、タフなのかまた俺に突進してきた。
違う意味で死ぬ!!

「うわあぁあぁああっ!!」
「ぎゃはは!やべぇ超笑えるんだけど!!お前ホモだから丁度良いじゃねーか!」
「ばっ…ガンツの採点で【もうホモではない】ってあっただろうが!助けろ!!」
「もうちょっと見てからなー。」
「ふざけてんじゃねぇぞ!!」

冗談じゃねぇ!!
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