原作沿い

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ガンツに星人が映し出される。
それを見て、稲森さんが「おっ」と興味を示した。

「アリス星人だってさ。」

そう言われて見てみれば、確かにアリス星人と書かれていた。
この顔…どう見ても、どう考えても辿りつく結果は一つだけ。

「なんだか、不思議の国のアリスみたい。」

中学生の一人の呟きに、私は頷いた。
そうだ、不思議の国のアリスのアリスにそっくりなんだ。

「イギリスの数学者にして作家チャールズ・ラトウィッジ・ドジソンが、ルイス・キャロルの筆名で1865年に出版した児童文学ですね。」

…なんか時々いるよね、こういう子。
私は中学生をチラッと見る。
眼鏡かけてて、すごく頭の良さそうな子。
今さっき「勉強しなきゃ」とか言ってたっけ。
そんな子が命を落としてしまうなんて可哀想な話だ。
勉強が全てだと、思っているんだろうか。

「知ってますか?不思議の国のアリスの本文には、ドジソンと友人たちに関わる逸話や、イギリスの学童が暗記させられる授業を風刺した引喩が数多く含まれているんですよ。」

知らないですよね?
そんな事を言ってるような…なんか嫌な感じだなぁ。
多分西君が「くだらねぇ」って笑うんだろうな。

「まぁ、どんな内容だったとしても関係ねぇよ。」
「これから始まるのは、殺し合いなんだからな。」

何度説明しても分かってくれない。
だから今回も私達だけで頑張る。
いや、その方が有り難い。
点数をどうもありがとう。
そして…

「皆さん、頑張って生きてくださいね。」

囮役をどうもありがとう。
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