原作沿い

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「ちょっと何ここー?」
「ワケ分かんないんですけどー。」
「わっ、見て見て!あの二人超イケメーン!!」
「わっ、本当だ!!」
「やばくない!?」

女子高生三人が北条さんと稲森さんを見てキャーキャー騒ぐ。
北条さんは嫌そうにゆっくりと女子高生の間にあった距離を更に離した。
稲森さんはちょっと嬉しそうだけど。
本当に女好きなんだから…。

「ぎょんの後ろに立たせてもらう。」
「私を巻き込まないでください。」
「うるせぇ、黙って巻き込まれてろ。」
「もう…。」

仕方ないなぁ…。
そう思っていたら、何か変な視線を感じた。
視線を上に向けたら、ホストと目が合った。
こっちに近づいてくる。

「君、なんだかミステリアスで素敵だね。」

…貴方の頭の中がミステリアスですね。
というか、なんて失礼なんだこの人は。
ミステリアスって【不可解】って事でしょ?
絶対【神秘的】な方で使ったとは思えないし…。

「ここは何なんだい?」
「あ…ええと、とりあえずこのスーツを着ていただければ…。」

そう言って自分のスーツを見せると、新メンバーの顔が歪んだ。

「これを着るって言った…?」
「うわ、マジ無いんだけど…ダサッ。」
「っていうかきもーい。」
「私にはこういうものはちょっと…。」
「うーん、俺には似合わないよ。」

………どうしよう、なんかすごく面倒くさい。

「別に着なくても良いですけど…。」

私はスーツの上に服を着る。
北条さん達は服を脱いでスーツ姿になった。
北条さんと稲森さんが脱いだ直後に聞こえた黄色い悲鳴は気にしないでおく。

「死にますよ。」

着るか着ないかは、この人達に判断してもらう事にしよう。
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