原作沿い
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「ゲーセンで特訓でもするかなー。」
「何をですか?」
「んー…命中力とか?」
稲森さんは、西君を生き返したいと思ってくれる唯一の人。
今、一番信用できる人だ。
「意外に上手そうですね。」
「意外にって何だよー。」
「やってるように見えないので。」
心の底からは無理だけど、稲森さんの前でなら笑えるかもしれない。
「ぎょん…。」
「はい?」
家まで送ってもらった私。
稲森さんは帰る前に私の名前を呼んだ。
振り向いたら、真剣な表情をした稲森さんがいた。
「稲森さん…?」
「……頑張ろうな。次も。」
「…はい。勿論です。」
稲森さんはニコッと笑って帰って行った。
…そういえば、歩いてる途中に稲森さんがメールアドレスを教えてくれたんだ。
登録しておかなきゃ…。
「…西君。」
待っててね、頑張るから。
携帯に映った西君のアドレスと電話番号。
私は携帯を閉じて、ベッドに転ぶ。
「…おやすみなさい。」
その日見た夢は…西君が出てきた夢だった。