原作沿い
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「に、西君はと、友達だよっ…!」
少し声が大きくなってしまった。
女の子も男の子も私を目を見開いて見てる。
は、恥ずかしい…。
「西君は…と、友達…だよ…。」
だんだんと小さくなる声。
西君が彼氏だなんて…そんな事…。
「なーんだ、つまんなーい。」
「でも、その反応を見るからに…?」
「うんうん。」
「ぎょんさんはその西君って人が好きなんだね?」
…
「えっ?」
今、なんて言った?
―ぎょんさんはその西君って人が好きなんだね?―
私が…西君を…好き?
出会って…全然経ってないのに?
「そ、そんな事…」
「だって、西君って人の事ばっか考えてるでしょ?」
短時間で人を好きに…なんて、なれるの?
好きな人って、長い時間をかけて見つけるものじゃないの?
「そ、それは西君が…大事なお友達だから…。」
「ふーん?」
や、やめてよ。
何で皆ニヤニヤしてるの?
私、別に…別にそんな…
―こういうのは、男が迎えに来るのが普通だろ。―
そん…な…
「あ。」
「あー、鳴っちゃった。」
いきなりチャイムが鳴り響き、思考を中断されてしまった。
私は次の授業の準備をする。
「…。」
あんまり、頭に入らなかった。