原作沿い

□9
2ページ/4ページ

「に、西君はと、友達だよっ…!」

少し声が大きくなってしまった。
女の子も男の子も私を目を見開いて見てる。
は、恥ずかしい…。

「西君は…と、友達…だよ…。」

だんだんと小さくなる声。
西君が彼氏だなんて…そんな事…。

「なーんだ、つまんなーい。」
「でも、その反応を見るからに…?」
「うんうん。」
「ぎょんさんはその西君って人が好きなんだね?」



「えっ?」

今、なんて言った?

―ぎょんさんはその西君って人が好きなんだね?―

私が…西君を…好き?
出会って…全然経ってないのに?

「そ、そんな事…」
「だって、西君って人の事ばっか考えてるでしょ?」

短時間で人を好きに…なんて、なれるの?
好きな人って、長い時間をかけて見つけるものじゃないの?

「そ、それは西君が…大事なお友達だから…。」
「ふーん?」

や、やめてよ。
何で皆ニヤニヤしてるの?
私、別に…別にそんな…

―こういうのは、男が迎えに来るのが普通だろ。―

そん…な…

「あ。」
「あー、鳴っちゃった。」

いきなりチャイムが鳴り響き、思考を中断されてしまった。
私は次の授業の準備をする。

「…。」

あんまり、頭に入らなかった。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ