原作沿い
□1
2ページ/5ページ
・
・
・
「おい…おい!」
…ん?
何か聞こえる…人の…声…。
でも、どうして…?
私、死んだはずなのに………
「ん…。」
「あぁ、良かった。」
…目を開けたら、目の前に男の人がいた。
驚いて目が閉じてくれない。
私はゆっくり起き上がって周りを見回す。
「………そうか、あの世は現実と変わらないんだね…。」
「え?」
あの世ってもっと暗いものだと思ってた。
だけど、全然そんな事無かったんだ。
…あれ、あの世って事は私を起こしたあの人は…
「あの世の住人…って事…で良いのかな…。」
「…え?」
…あれ?
窓の外にあるもの、すごく見覚えがある。
「あ、東京タワー。」
あの世にも東京タワーがあるという事を初めて知った。
生き帰れたらぜひ友達に教えてあげたい情報だ。
「えっと…君…。」
「はい…?」
急に声をかけられて振り向く。
そこには私を起こしたあの世の住人と、そしてその…と、友達か仲間的な人?
見た目は学生さんなんだけどな。
「ここに来たって事はさ…」
「?」
「君も…死んだの?」
「…そうですけど?」
私は死んだからここに来た…んだよね?
「えっと…貴方は…あの世の…住人的な何かでは…?」
「え?」
「え?」
「俺達も、死んだ人間なんだよ。」
「…そう、なんですか…?」
まさか私と一緒だったとは思わなかった。
そうか、この人達皆…私と同じで、死んじゃったんだ。
「俺、加藤勝。よろしくな。」
「あ、私はぎょん ぎょぎょんです。よろしくお願いします。」
加藤さん…か。
「あっちは玄野計って言うんだ。」
「あ、よろしくお願いします。」
「あ、うん…。」
加藤さんに玄野さん。
…玄野さん、私の事根暗だとか思ってるんだろうなぁ…。
まぁ、騒ぐ方じゃないから間違いではないかもしれないけど。
「他の人は…」
他の人達の名前も知りたくて振り返ったら、金髪の人が真後ろにいた。