月光

□崩れた絆
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パシャ…パシャ…

私は海に面している洞窟を探ろうと中に入っていった

「だッ誰だ!」
「!?」

突然の声
先客が居た様だった

「く、来るな!それ以上寄ったら、う、撃つぞ!」

相手はかなり興奮しているようだった
それはそうだろう開始早々あんな場所に首の無い死体があったのだから

「待って、私は何もしないわ…神尾アキラ君」
「な、何で俺の名前…」

声が震えている
彼は相当怯えているようだった
後ずさる音が聞こえる

「神尾君、まって」
「お、おまえっ、武器は…」

神尾にそっと近づいた
真っ青な顔色で、今にも倒れてしまいそうだった

「大丈夫、危害は加えないわ」

触れて、初めて気付いたことがある
彼は銃なんて持っていなかった
あの言葉は、彼なりの脅しだったらしい
暫く神尾の話を聞いていて分かった事がある
伊武深司はやる気になっている選手だと言うこと…

「俺なんかさ…武器、これだぜ?」

神尾はデイバッグの中に仕舞ってあったノートを取り出した
それは本当にただのノートだった

「ったく…こんなんで戦えって言うのかよ」
「ハズレ…ね。そう言えば私まだ武器見てないや」

私もデイバッグを漁った
黒く光る…

「武器って…そのライフルじゃねぇのかよ?」
「ああ、これ?出る前に渡されたの」

実物を見た神尾は少しビビッていた

「へぇ…」
「あ、あった…UZIだ」
「ウージー…?」
「サブマシンガンのことよ」

デイバッグからそれを出し、神尾に渡した
神尾はキョトンとした
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