Book
□いい加減
1ページ/1ページ
宗介が鮫柄高校に転校して高校を卒業してから数年は経つだろうか、すっかり大人の男性となった宗介といまだに恋人関係は続いている。
自分のことも私のことも、互いに受け入れあって全てが順調で平凡であった。
「聞いて!中学の同級生がおめでたで結婚するんだってー!」
「で?」
「今ちょうど四ヶ月くらいでお腹が目立ち始めたんだって。もう半年もすれば生まれるんだよ?早いよね〜」
ベッドの上で寝転んでテレビに夢中な宗介に対して話をするのは無意味なこと。本当に話を聞いているようでまるで聞いていないんだから。
スマホから宗介に目を移すとバチっと合った。
「もう聞いてる?」
「赤ん坊欲しいの?」
「え?」
「……」
「なっ、んでそうなるの…!」
「あー順番がちげーか。結婚する?」
寝転んだその状態で、たれ目がさらにダルそうにこちらを見といて何を言い出すのか。
今のは完全に不意打ちのプロポーズと受け取っていいのだろう。しかし納得がいかない。
「なんで黙るんだよ」
「そういうのって大事じゃん…なんでさ…」
まだ喋っているのにも関わらず、相変わらずダルそうに起き上がって人の目の前まで来てガン見される。
「お前さ、何年俺と一緒にいるとおもってんの?」
「っ、宗介のバカ意地悪遅漏デカちんアホ」
「褒めるか貶すかどっちかにしろ」
「結婚しようってムードとかさ!TPO考えてよ!もっと大事にして」
「今のベストだろうが」
「絶対違う、けど嬉しい゛」
言い合ってて、途中から涙が目に溜まって溢れだした。
「忙しい奴」
「忙しくさせてるの、誰のせいだと思ってるの…」
「俺以外に誰がいるんだよ」
堂々たるその態度。
「で、どうなんだよ?」
自信に満ちた笑み。
「もちろんだよ」
何年経っても変わらない大好きな人。
「よし子作りすっか」
「ただヤりたいだけじゃん!! 」
「練習だよ練習」
「……………三人は欲しい」
「今のキた」
宗介なら順番なんか関係ねぇって言いそうで、意外とそういうの気にしてたりするのいいなと思ってます。
ちゃんとその時がくるまで避妊してます。そこはきっちりしてる男だと思います。
結婚してからちゃんと身籠りますので安心してください。(?)