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□体格差
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木吉鉄平はでかい。


何がって全てにおいてがでかくて、身長、手、足、細かく言えば爪のでかさとか指の長さとか洋服、他にもいろいろある。
私が特にお気に入りなのが手。
私の顔なんか比じゃないくらいのでかさ。
包み込んでくれる大きくて、暖かくて、優しい手で頭を撫でられるのも、顔を包み込んでくれるもの好き。ゴツゴツで筋張ってて、血管が浮き出てたりする日はなお良し。あの男性特有の手がいい。


今はベッドに二人で腰掛けているが、そういった雰囲気にはすぐなる発情期カップルという訳でもないので、のんびり二人の時間を大切にしている。じじいばばあかよ、と友達に言われたこともあったけど、やる時はやる時で、そらまあすごいんでそんな気は全然しない。

「よく飽きもせず見て触ってるよな。」
「そりゃー好きだからねえ?」
「手だけ?」
「ううん、ユニフォームから見える三角筋も好きだよ。」

そっかーと納得しちゃったけど、今の突っ込み所ですよ木吉鉄平くん。

「木吉鉄平くんに問題です。このあと、私は何するでしょーか?」
「選択肢もないのか?」
「欲しい?ほら、欲しいならお願いしてみな?」
「名無しさんヒントくれ。」

わざと無視してんのか、無自覚に言ってるのか分からない時がたまにあるよ、彼女でも。
それでもいいの、私はめげない強い子。
いまだに目線はずっと手。

「一番、変わらずこのまま手をふにふにする。二番、手から三角筋に代わり見て触りまくる。」
「なんだそれ?んー名無しさんのことだから選択肢以外が答えだな!」

顔を上げればその笑顔。大好き、だなんて言わないけど。そのフッと笑った顔。

「……じゃ、正解は実演します。」

おう!と受け入れ完全に油断している彼の肩を勢いよく押し倒してお腹辺りに乗っかっている。

「当たりだ!何かご褒美ないのか?」
「ご褒美考えてなかった…。どら焼きとかでいいかな。」
「それもいいけど名無しさんの方が嬉しい。」
「オヤジか、オヤジだわ。」
「結構マジだぞ?」

てかいつも思うのは、私が押し倒すと木吉くんがでかいからパパのお腹の上に乗って起こしてるって感じ、というのがしっくり。自分がちょっと小さいというのもあるけど。さっきの話なんか無視して、それを木吉くんに伝えれば確かに、言われてみたらそう見えるかもな。と笑いながら言った。

「でもパパと娘はえっち出来ないぞ。」
「セクハラ親父。」
「親父(ちちおや)じゃないぞ。」
「もうこんなえっちな彼氏を持った私の身にでもなってー。」
「お互い様、だ。」

あれよあれよと形勢逆転なわけで。

「娘を犯そうとしてる悪いパパ、体格差こわーい。」
「親子プレイか?」
「それなら不倫ごっこがいいなあ。」

なんだそれ?と少し興味があるかの様な素振りな彼の背中に手を回して引き寄せ抱き締める。

「でも今は、木吉くんとただのカップルでいたいな?」

そのまま横を向いて彼の頬にキスを落とすと、今度は彼から唇へ一度だけキスをされた。唇が離れて木吉くんは私の横に寝転び、ぎゅっと抱き寄せた。だが私は彼のVネックのシャツを捲り、その中へ潜り込み顔を出す。あと服が伸びる心配はない。そして当然、上半身は密着していて片方は素肌。たまに乳首を捻ると怒る。
だが今回は違う。えい、という掛け声を合図に悪戯で膝を曲げるとちょうど股間で、感触が分かるのが面白い。

「股間はなしだ!加減しないと痛い。加減しなかったらしないで、反応するからだーめ。」
「わざとだよ、ごめんね。でもデカッ…。」
「名無しさん見たことあるだろ。一緒に風呂入った仲でもあるし。」
「そうだけど……見るのと触るのじゃ違うもん。」

話ながら足は股間から長く程よく筋肉がついた足に絡み付くように、さわさわとする。

「どうしよう。」
「ん?」
「木吉くん、どうしようもないくらい甘えたいです。」
「いいぞ!こい。」

とてもいい笑顔で、さっきよりもさらに抱き締めてくれる。
これが好きで好きで愛しい。とっても大好きな瞬間でもある。そしていつもこのまま眠りにつくのが定番化している。もう一つ決まりがあって、必ず私からおやすみを言うこと。何故かはわからない、いつの間にかそうなった。

「おやすみ名無しさん」

毎日コレをやっていたいなと思ってるのは私だけの秘密です。











ただオープンなカップルかつゲロ甘書きたかっただけなんです……木吉という男はやる気スイッチ入ったら爆発させるので決して興奮していない訳でないのですよ。喜んでます。補足でした!









「名無しさんの寝相の悪ささえ直ってくれたらなあ。」
「え、そんなに酷い?」
「そこまでじゃないが密着してるからな。」
「ごめんーでも服の中に入ってる方が安心して眠れるんだもん!」
「可愛いなあ。」
「手重い!髪乱れる!でも好き!」
「襲うぞ〜。」
「いいよ。」

このあと滅茶苦茶ry

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