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□あかずきん×おおかみ
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ここは、人里離れた山奥に建てられた学園。

全寮制の男子校。
女人禁制により、教師や保健医、非常勤講師、すべてにおいて男の学園である。

はたから見れば、金持ちの子息たちが通う全寮制の男子校に見える。

しかし、ここは普通の学校ではなかった。



童話・赤ずきんちゃん



あかずきん×おおかみの場合



「ねぇ、どうしておばあさんの手はそんなに大きいの?」

あかずきんちゃんは尋ねました。

「それはね、かわいいお前を撫でるためだよ」

おばあさんはそう答えました。

「じゃあ、声がおかしいのはどうして?」

またあかずきんちゃんは尋ねました。

「少し風邪を引いてしまってね。ごほごほ」

おばあさんはそう答えました。

「あら?おばあさんのお口って、そんなに大きかったかしら?」

こてん、と首を傾げながら尋ねました。

「ああ、この口かい?それはね、美味しそうなお前を食べるためだ!!」

そういって、おばあさんは布団をまくりあげ、あかずきんちゃんに襲いかかりました。

何と、おばあさんだと思っていたのは、あかずきんちゃんを食べようと待ち伏せていたおおかみでした。

しかし。

ガチャと音をたてて、何かがおおかみに突きつけられました。

「馬鹿なおおかみだな。この俺様を食おうなんて、十万年早いぜ?」

何と愛らしいあかずきんちゃんは、おおかみの額に銃を突きつけていました。

おおかみは瞳を大きくさせました。

「さぁて。どうしてくれようか?」

あかずきんちゃんはスカートが捲れるのもお構いなしに、おおかみの顔すれすれに足を壁につきました。

「ちょ、ちょっと待て!はなしが違う!!」

慌てたおおかみは、首をブンブン振りながらあかずきんちゃんを見ました。

「あ?何の話が違うって?」

愛らしいあかずきんちゃんは、それはもうドスのきいた声で聞きました。

「その話じゃなくて、噺が違うって言うはなし!!」

そう、おおかみは叫びました。

すると、あかずきんちゃんは、にやりとした笑みを口許に浮かべました。

「はぁ?意味わかんねぇーし」

「いやいやいや!その笑みはわかってる笑みだ!!」

「あ?俺様に反抗するって?いい度胸だな。その体にじっくり教えてやるよ。誰がご主人様かってな」

「えぇぇえっ!!?」

こうしておおかみは、愛らしいあかずきんちゃんに喰われましたとさ。

めでたしめでたし。





 
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