過去拍手
□オメガバースU
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俺の夫は、妻である俺と、俺達の間に産まれた子供を溺愛している。
「ふふ。遥麻くんは可愛いな。目許なんかアヤちゃんそっくり」
親ばかとはこのことだろう。
「おい、アヤちゃん言うな」
俺の名前が綾(りょう)で、漢字的にアヤとも呼べるから、コイツは時々俺をアヤちゃんと呼んでくる。
てか、俺みたいなガラの悪いのが、アヤちゃんなんて可愛い呼び方似合わないだろ。鳥肌立つわ。
「ぱぱ、すき。あそんでー」
「!!?俺も好きだぞ、遥麻!!」
会社ではエリート気取ってるくせに、家では息子にデレデレしっぱなしで緩い。
遥麻は普段仕事でいない父親に遊んでもらってご満悦だ。
で、俺はソファで寝転がりながらスマホのゲームをしている。
今日は土曜日で、コイツの仕事が休みだから遥麻の遊び相手はコイツだ。いつもは俺がやってるからな、休みの日は交代だ。
と言ってもゲームなんてすぐに飽きるから、俺はスマホを置いて遥麻に手を伸ばす。
「おいで、はる」
「ふぁあ!ままだいすき!!」
すぐに奴から離れて俺の胸に飛び込んでくる。
だいぶ成長した小さな体は程よく重くて温かい。
天使は順調に成長していて親としては嬉しい限りだ。
ふふん。明らかに奴の時とは違う遥麻の態度に、俺はドヤ顔で奴を見てやった。
何たって俺はずっとお腹の中で育てて、産まれたあとの世話も俺が中心でしてたからな。
まま大好きな息子の出来上がりだ!
仕事やその他のことではαのコイツに敵うところはないから、コイツには出来ない俺の唯一の自慢だ。
すると奴は何を思ったのか俺から遥麻を奪い取ると、至極真面目な顔でアホなことを言い放った。
「遥麻。ままは俺の奥さんだからな。取るんじゃないぞ?」
ホントにコイツはエリートのαなのか?時々心配になる。
「おい、止めろ。子供に何言ってやがる」
キョトンとする遥麻も可愛い!……じゃなかった。
「ぱぱもすきだよぉ?」
そう来たか。
「あー、うん。俺も好きだよ。そうじゃなくてだな。とにかく、綾は俺のだから、遥麻は遥麻で自力で好きな子を見つけなさい」
「ふぇ?」
そりゃあ意味分かんねーよな。3歳児にする話じゃねーわ。
てか、遥麻の言ってる好きは恋愛じゃねぇーよ。
遥麻が笑顔で首を傾げれば、こいつは真剣な表情は崩さずに、
「うむ。首を傾げる姿も天使だな」
と言ったので、それは俺も同意した。息子まじ天使。
「でもな、どれだけ天使でも綾は渡さないからな?俺のだからな?」
「?」
「あー、はいはい。勝手に言ってろ」
適当に返事をして、俺は昼飯の準備をするべくキッチンへと向かった。
こうして土曜日は過ぎていく。
後書き
オメガバース第二弾、いかがでしたでしょうか?
ほのぼの日常を目指してるので、ちゃんとそうなってるか不安…。
話が短いのが申し訳なく思うところですが(;´∀`)
なにぶん、時間あるときに勢いで作ったものですから加筆してこの短さ(´Д`)
3、4と続く予定なのですが、見返したら更に話が短くてどうしたものかと悩んでます。
短くてもいいですか?
3はほんのりシリアス風味な、綾の発情期の話だったりします。エロさはあるようなないような。R指定まではいかないかなと思ってる程度の話です。
ほのぼのではないなから載せようか迷っているんですが、みなさん、そんな話でもオッケーですかね?
それも踏まえて、感想とかいただけると嬉しいです!