過去拍手

□オメガバースT
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家族(妻と子供)至上主義なエリートαとヤンキー風なΩとねぼすけな息子(α)の日常(※題名)1


登場人物

*西園寺綾(さいおんじりょう)…男性型のΩ。25歳。美人だが口が悪く、少々雑なところがある。息子と一応夫を愛している。ツンデレのため素直に好きとは言えない。

*西園寺一哉(さいおんじかずや)…男性型のα。29歳。スーパーエリート。妻と息子を溺愛する家族至上主義。職場ではキリッとしたイケメンだが、家では妻子にデレッデレで、エリートなど見る影もない。

*西園寺遥麻(さいおんじはるま)…綾と一哉の息子。男性型のα。3歳。保育園に通っている。ねぼすけで、一度寝たら起こされるまでぐっすり。









「おい、遥麻。朝だ、起きろ」


 俺、西園寺綾(さいおんじりょう)の朝は、まず旦那を起こすこと……ではなく、ねぼすけな3歳児を起こすことから始まる。


「遥麻、起きろ」


 息子の遥麻(はるま)は一度寝ると朝までぐっすりだが、なかなかに図太く誰かが起こすまでずっと眠り続けている。


 よくもまあそんなに寝れるもんだよな。目が腐るんじゃねーの?


「遥麻!いい加減に起きねーと保育園遅刻だろうが!!」


 俺は力一杯ふとんを遥麻から引っぺがした。


 ころんと中から出てきたのは俺達の一人息子。


 くーくー寝息を立てて寝る姿は俺よりもあいつに似てる。


 目を開くと俺にも似てるって言われるが、誰がどう見てもあいつ似だ。俺にはちっとも似てない。


 てか、俺なんかに似なくて良い。あいつ似のイケメンフェイスがあれば、αだからそれなりに良い人生送れるはずだ。


 ………て、何の話してんだよ、俺…。


「綾、遥麻は起きたか?」


 俺が遥麻起こすのに手間取っていると、扉からひょっこり顔を出すイケメン。


 奴こそが俺の発情期を狙って体の関係に持ち込み、結婚どころか付き合ってもいない俺を妊娠させたこの家の主で、一応俺の旦那の西園寺一哉(さいおんじかずや)だ。


 超エリートで、ムカつくくらいなんでもできるαだ。ちなみに俺は言わなくてもわかるだろうが、劣等種のΩだ。


「全然起きねー」


「ホントねぼすけだな、遥麻は…。ほら、起きろ」


「んぅ〜」


 一哉が遥麻の鼻を掴む。すると遥麻は小さな眉をギュッと寄せてもそもそと動く。そこでようやく小さな目を開かせた。


「ねぼすけの遥麻くん、おはよう」


「ふぁあ」


 大きなあくびをして目をこすりながら起き上がる。


「おはよぉ、ぱぱ、まま」


 よたよたしながら立ち上がり、遥麻は俺と一哉を巻き込みながら抱き着いてきた。


 はぁ、旦那はイケ好かねぇーけど、息子は天使だな。すっげぇ可愛い。


「ようやく起きたか、ねぼすけめ」


「きゃあ」


 額にキスをしてやれば、なぜか一哉がショックを受けていた。


「んだよ?」


「俺はまだ今朝のキスをされてない」


 バカなのか?3歳児と張り合うなよ。これでスーパーエリートとか、冗談きついぜ。世の中どうなってんだよマジで。


 俺が遥麻を抱えて立ち上がれば、奴はイケメンフェイスに笑みを讃え俺を見下ろしてきた。


「俺にもキスして?」


 こうなるとテコでも動かないから、俺は仕方なく奴の額へ背伸びをする。こいつ無駄に高身長なんだよな。


 ちゅっと唇を押し付けてやれば、イケメンが台無しのデレデレしたアホ面になる。


「やめろ。キモイ」


 俺が本気でそう言っても、コイツはちっともめげない。


「愛してるよ、アヤちゃん」


「黙れ。てか、アヤちゃん言うな!んなことより、早くご飯食べろ。仕事と保育園遅刻すんだろ」


「ふぁい」


「はぁい」


 親子そろって緩い返事しやがって。


 一哉はキッチンへ戻り朝食の仕上げを行い、俺が遥麻の保育園へ行く準備をする。


 これが西園寺家の、俺達のいつもの朝である。









後書き

今回はここまでですw
思ったより短かった…。
もっと細かい設定を考えているんですが、あまり詰め込むとほのぼのからシリアスまっしぐらになりそうだったのでやめました(笑)
感想とかいただけると嬉しいです|ω•。 ))
 

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