過去拍手

□元魔王×元勇者
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千年前戦った勇者と魔王が転生して高校の同級生になった話







円木悠士(つぶらぎゆうし)と蕪木真生(かぶらぎまお)は出会った瞬間、ビビッと何かを感じ取った。


「ん?……お前、まさか……勇者か?」


「!?……そういうアンタはもしかして魔王?」


お互いを確認したあと、その事実を受け止めるのに少々時間がかかる。


そして、ようやく理解すると、二人は互いの顔を見て心底驚いた顔を向けた。


「「マジか!?」」


これが、元勇者と元魔王の転生後初の邂逅となった。


二人が出会った、というか、再会したのは高校の入学式当日、校門前でのことだった。


お互いの両親は色々な事情で出席できないため、二人は別々の道から一人で歩いてやってきた。


偶然、同じタイミングで門を潜ったのが運命とでも言うのか。


一発目の会話を経て悠士と真生は、そのまま連れだって校舎に入った。


入学式の前にクラスの確認をすれば、まさかの同じクラス。


「やべぇ、同クラじゃん」


「マジか」


「ほら、1年C組」


「お。ホントだ」


何度見直しても二人の名前は同じクラスにあった。


「んじゃあ、このまま一緒に行こうぜ」


「そうだな」


再び歩き出し、クラスへと向かう。


ふと、悠士は真生に話しかけた。


「なぁ、魔王」


「あ?」


「お前って……俺のこと恨んでたりするのか?」


「はぁ?」


元勇者の発言に、元魔王は眉を寄せた。


恨む?


「今更じゃね?」


殺しあったのは千年も大昔の話。


世界を闇で覆い尽くそうとした元魔王?


その魔王を倒し世界を平和にした元勇者?


機械の発達した現代で、病気を疑われない発言をするつもりはない。


「だよな」


「お前こそどうなんだよ?」


「あるわけねーじゃん」


てか、俺お前を倒した方だぜ?と元勇者は笑った。


「だろーな」


「まぁ、何だ。これからは同級生としてよろしくってことで」


「ん?あぁ、そうだな。これから3年間よろしく」


こうして元勇者と元魔王の転生高校生ライフが幕を開けた。


end




☆後書き☆

久々の拍手小説が前回より短くて申し訳ありません(汗)
いかがでしたか?
転生系の話って書いたことなくて、衝動的と言いますか、ちょっと考えてたらこんなことになってしまいました(^_^;)
昔の仲間も転生していて、勇者の取り合いとか、魔王大好きっ子が登場して勇者がやきもきする話をいずれ書きたい。


 

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