桜花乱舞
□第拾玖話〜患った者の誓〜
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…総司は、普通に笑っていた。
何も言えない、言いたいことがあるのに…さっきの話を聞いてしまって…
総「いいから…座って…ね?」
総司は縁台に腰を落ち着かせて突っ立っている私の方を見ながら
ポンポンと隣に座るように指示をした。
正直、目を合わせるのが億劫だ。
盗み聞きという最低な手段をとった私がこのよう場にいていいのかと思ってしまう。
翡翠「…………」
無言で隣に座って総司の隣に腰を降ろした。
胸に大きな錘が乗っかってきている感覚を覚える。
沈黙は……重かった…。
ぐるぐると…思考が回る都度、どうしようもない罪悪感を感じる。
総「ねぇ…、翡翠……先生の話…本気にした?」
いつも通りのからかうような口調で尋ねてくる総司。
ーーーーー本気にしているに決まってるだろ。
目の前で…吐血、されたんだぞ。
翡翠「……私の目の前で吐血をしておいて…
それはないであろう?総司…。」
総「ははっ……でも…君には…本気にしてほしくなかった…かな。」
悲しげに笑う総司。
私は自身の手を彼の手の甲にそっとのせる。
翡翠「嘘であってほしいと、願いたいが…今…物凄く…胸が張り裂けそうだ。」
総「はははっ…本当に…翡翠には参るよ…。」
…嘘ではないということが、総司の表情を見て嫌でもわかってしまう。