桜花乱舞
□第拾捌話〜崩壊への導〜
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翡翠「……ああ…そういえば今日は健康診断…であったな。」
朝早く目を覚まして見れば上半身裸になっている隊士達がいたものだから
吃驚したのは無理もないことだった。
無論、千鶴は初めてであるので…相当な出来事だったようである。
千鶴「び…びっくりしました…。」
今日はいつになくにぎやかでこんな感じになるのもたまにはいいだろうと
どこか踏ん切りがついていた。
千鶴「翡翠さんはやってもらわないんですか?」
翡翠「私は…隊士達が来る前に診てもらっているからな。」
女だとばれたら大変であろう?
そういうと千鶴ははっとして苦笑していた。
………そして、次の出番が…
新八「剣術一筋で鍛えたこの身体!」
……バカが降臨したか。
松本先生は覚めた目で新八を見ている。
平助が茶化せばそれに乗じて三馬鹿がからかう。
……さっさと…終わってほしいのだがな。
後ろは後ろで兄上が上半身裸のままで苛々していた。
ーー兄上…また締まりましたな…?
うっすらとついている筋肉は前よりもまして増えている気がした。
一「診察は診てもらうものであって、見せつけるものじゃない。さっさとどけ。」
兄上はぴしゃりと一言言い放つと
新八はそそくさと帰ってしまっていた。
千鶴「あの…翡翠さん…私ちょっと…松本先生に…父様のこと訊いてきますね。」
翡翠「ああ…何かいい情報が入るといいな。」
このまま…何もなければいいな…。
静かに、その時間は刻一刻と迫ってきていた。