桜花乱舞
□第拾漆話〜破滅ノ始マリ〜
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総「翡翠…少しは落ち着いた?」
総司に背中を赤子のように背中をトントンと優しく叩かれながら
訊ねてくる総司…私は総司の着物の袖を力強く掴んだ。
総「そっか…落ち着いたんだね…よかった…。」
翡翠「もう…何がなんだか分からないんだ…。」
そうつぶやくと総司は心配げに眉を潜めた
次の言葉が浮かんでこない…。
どうすればいいんだ…。
総「何が…分からないの?聞くことができる範囲なら僕が訊くよ?
翡翠が…辛いなら話さなくてもいいし。」
…お前は、どれだけ私にそんな言葉を紡げば
心が折れることを十分に理解しているのか。
本当に…つくづくすごい奴だと思ってしまう自分がいる
翡翠「ふっ…総司には敵わないぞ…。」
そういうと総司もふっと笑って私の前髪を掻き揚げて
額に接吻を落とす。
総「…僕だってキミには敵わないよ…?
それより翡翠…向こうで何があったか教えてくれるよね?」
翡翠「ああ…教える…向こうで何があったか…すべて…な。」
二条城で警備の任についている最中、突如現れた三人の鬼。
そいつらは私と千鶴が"鬼"と呼ばれる同胞だということ
そして…無意識に…黄金色の瞳になりここに運ばれるまでの末路
思い出すだけで吐きそうになる。
総「…落ち着くんだ…翡翠…深呼吸、深呼吸…ね?」
翡翠「あっ…ああ…取り乱した…すなまない。」
総司は真剣になって私の話に耳を傾けた。