桜花乱舞

□第拾陸話〜鬼、来襲〜
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…隊士達が右往左往とし廊下を行き来する。
今私たち新選組がいるのは二条城と呼ばれる城。
将軍上洛の為だけにつくられたものだ。
だが…相変わらず忙しなく動いているものだ…と警護をしていた。


千鶴「翡翠さん…大丈夫ですか?」


本日の警護に当たっては総司と平助は休みになっている。
ーーーー総司が、風邪気味だからという理由で…。
まぁ、本人は参加したがっていたのだが…それはどうしようもないこと。


翡翠「む?千鶴か……少々…まだ肩の傷が疼く程度だが心配は無い。」


千鶴「あの…沖田さんから…コレを預かったんです。」


綺麗な千代紙に包まれていたのは色とりどりの金平糖だった。


総『千鶴ちゃんに翡翠が元気になりそうなもの渡しといたから…僕の分までしっかり警護してきてよ?』


と、言われていたのを思い出してふっと笑った。


翡翠「千鶴…そうか…総司がくれたのか…。」


千鶴「翡翠さん…私も一つ、いただいてもいいですか?」


翡翠「無論問題ないぞ、千鶴…一緒に食べた方が甘味は美味いからな」


そういって私は千鶴に金平糖を一つ渡す。
それが口の中で溶けて消えてしまった瞬間…。

何かふとした気配が生まれた私の背筋に寒気を感じた。
顔色を変えた千鶴。まさか千鶴もこの殺気に気付いたのか…。



翡翠「ーーー千鶴、こっちに来い!」


千鶴「……っ…!!!」


城の陰にうっすらと…三人の人影が浮かび上がる。
そうーーー其処にいたのは
池田屋で…総司を追いつめた…金髪の浪士だった。
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