桜花乱舞

□第陸話〜池田屋事件録2〜
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刻々と…その時間は過ぎていく。
屯所内はばたばたと忙しい足音が響く。
鉢金を巻いて、羽織を来て玄関の方に集まっていく。


総「翡翠準備できたみたいだね。」


総司もいて幹部級の隊士達はそれぞれ集まっていた。
兄上と、原田の姿も見える。何かを話しているようだ。


翡翠「今から…始まるのだな。」


正直言うと心の中が高ぶっていて
興奮してしまっている自分がいる。
平助や新八はいつも異常にソワソワしている。


総「人手不足は深刻みたいだね…。」


明らかに人数は足りていないならしい。
…まあ、それもそうであろうな。
山南さんの大阪での負傷は相当な痛手だ。


故に…山南さんは鉢金に…羽織を着ているものの
左腕は固定されていた。
苦々しげに私達を見る山南さんは見るのがつらかった。



翡翠「怪我を無いことを祈るまでだが…な。」



総「やだな。翡翠ってばさ。」



冗談交じりに笑いつつも空気は張り詰めている。
…ふと、あたりを見回せば千鶴がポツンとうつむいて立っていた。



翡翠「千鶴…具合でも悪いのか?」


顔を覗き込んでみれば千鶴はハッとして呼び止められたことに気づいたみたいだ。
千鶴は苦笑しながら。



千鶴「…あの…私にでも何かお役に立てれることは無いでしょうか?」



…恐らく先ほどの桝屋の件を気にしているのだろう。
千鶴は相当気にしていたらしい。
彼女にできること…。頭を悩ませていると。



近藤「話は聞かせて貰ったぞ!雪村君。伝令役を頼みたいんだが…無理強いはさせんぞ。」



総「ま、足で纏にはならないようにね。千鶴ちゃん。」



翡翠「何かあったら…守ってやるから。」



そして私達は…池田屋へと向かうことになる。
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