時代の遊子

□拾肆頁目〜蝕み、滅ぶ身体〜
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大和守「…沖田君…無理しちゃだめだよ。」


俺の声はきっと沖田君には届いていない。
療養している沖田君は顔が凄く青ざめている。
布団の上でただボーっとしながら一日を過ごしていて。


総『ごほっ、ごほっ…ぐっ…カハッ』


また一つ、咳き込んでは手の平に赤い鮮血が指の隙間から滴り落ちて布団に咲く。


ーーーなぁ、清光、お前はこれを見てどう思う?


大和守「沖田君っ、沖田君っ…お願いっ…無理しないでっ…。」


触れようと、手を伸ばしても沖田君の体には触れることはできず
通り抜けてしまうだけ。


凄い足音、きっと"彼女"が来たのかな。
勢いよく障子が開く。


翡翠『総司っ!?大丈夫か!?』



総『…ああ…よかった……にあえて。』



…名前がよく聞き取れない。
そういえば…加州は彼女のこと嫌ってたっけ。
今は…俺の主になってるけど。



翡翠『無理するな…心配だ』



総『ふふっ。うれしいなあ僕は幸せだよ』



彼女をなでる沖田君。
その顔は先ほどの苦痛を消すほどの甘い笑顔だ。



大和守「なぁ、清光。お前は彼女を嫌ってたけど…。
俺たちは…沖田君を守ることしかできないんだ。
だけど、彼女なら…きっと沖田君を…幸せにしてくれるって」




信じてるんだ。




だから、清光、次お前と会うときは…。



お互い、笑ってられるといいね。















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