時代の遊子

□ 拾壱頁目〜主との契り〜
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時ノ廻廊へと戻った妾と今剣。


今剣「ひさしぶりですねっ!麟翔っ!」


麟翔「ああ…久しいな…今剣。」


今剣は妾に抱きつくと撫でてくださいといわんばかりに目を輝かせる。
仕方が無く頭を撫でると


今剣「えへへっ…、あ、そうだ!みんなほんまるにいるのですよ!」


いわれて見ればこんの助と和泉守兼定と堀川国広がいなかった。
今剣は確かに"本丸"といった。
ということは待機場所がある、ということになる。


麟翔「今剣よ、疲れておらぬか?」


今剣「んー、つかれましたぁ…。」


今剣は両手を広げて抱っこをしてください、とせがんで来た。
幾年振りの抱っこ要求。妾は仕方が無く今剣を抱き上げた。


今剣「うわぁ〜やっぱり、いわとおしもいいけど、麟翔だといいにおいがするのですっ!」


麟翔「はははっ、岩融と比べられるのはちと困るなあ。」



今剣「あっ!みてください麟翔っ!ほんまるへのいりぐちがでてきましたよ!」



今剣が指差す方向を見てみれば、うっすら朱色の門が浮かび上がってきた。



今剣「さぁっ、いきますよう!麟翔!」



麟翔「歩くのは妾だがな…」



そして門のほうに手をかけてギィッと重い音を立てると
明るい光が視界を覆って、なんとなく懐かしい香りが鼻を掠めた。



?「おお、今剣…帰ってきたか…。


今剣「ただいまなのですあるじさまっ!」


懐かしい声が、した気がした。


ーーーー貴女が此処にいる筈無いのに…。


今剣「麟翔!このひとがぼくたちのあるじさまなのですよ!」



?「麟翔…まさか…お前はーーーー」




まさか、また再び、会える日が来るとは…微塵も思っていなかった。




拾壱頁目〜追随〜
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