時代の遊子
□玖頁目〜歯止め〜
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キシキシと脇差が締め付けてくる。
…その力は相当なもので抜け出そうにも抜け出せない
そのような現状が今起きている状態だ
ガシャン、ガシャン
甲冑の音を立て、こちらへと向かってくる"修羅"青白い冷たい眼光は
ただただ妾を静かに見据えるだけだった。
「…コウケツノユキサクラ…此処デ滅べ」
麟翔「妾を滅ぼす……嗤わすでないぞ…。」
ーーーーいいか…麟翔…
お前は…内なる力を解放するためには…制御が必要だ。
…この力は決して使ってはいけない…
何があろうとも。
(フンイキガ変ワッタダト!?)
ヒスイの耳飾りだ…これをつけていれば…力は暴走せずに済む…。
ーーーーただし………
"感情の堰を壊してしまえば暴走する"
麟翔を絞めつけていた脇差はいつのまにかパキパキと音を立てて
先の方から凍りついていた。
麟翔「邪魔者は…此処で妾が排除する…」
鋭く冷たい殺気を目の前にいる修羅にぶつける
すると周りにいた雑魚達が一瞬で凍りついたのだ。
(是ガ…コウケツノユキサクラの本当ノ力…)
耳飾りには今にでも割れそうな勢いで皹が入っていた。
すると、どこからか風切り音が聞こえる。
そしてバサリ、と音を立てて華麗にその地に舞い降りた天狗の面をかぶった
一人の少年が麟翔の前に立っていた。
?「麟翔さんいけませんよ!みかづきがおこりますよっ!」
それは、遠い昔に訊いた…知る人の声だった。