時代の遊子

□陸頁目〜和泉守、参戦〜
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斬っても斬っても目の前の敵がわいてくる。
これじゃあ…埒が明かない…。
堀川も現に苦戦している…ならば…力を解放するしかないのか?


妾の力を解放すれば目の前のこやつらも一瞬で抹殺できる…。



麟翔「妾はどうすればよい…。」



力を解放しても…抑えきれずにまた、暴走してしまう。
早く、早く…どうすればいい…最善の策を考えねば…!!!



麟翔が焦っていると、目の前の短刀_丙が襲い掛かってくる。



――しまった!!!!これでは間に合わない…!!!!



折られる、そう思った時。




?「ひとーつ!士道に背く間敷事…。」




昔から聞きなれていた声が耳を響けばいつの間にか目の前の敵が切り伏せられていた。
風になびく長い髪の毛…、バサリ、と音を立てて翻る…浅葱色の羽織。
瞳はそれと同じ色で鋭く、妾を射抜いた。




和泉「新選組…土方歳三の打刀…!!!和泉守兼定、見参っ!仲間を傷つける奴ぁ…容赦しねェ…!!!!」




堀川「兼さん…!!!大丈夫?」




麟翔「和泉守、久しいな助かった」




和泉「…ああ…、久しぶりだなぁ…麟翔あれからずっと山に籠ってたか?
だから腕が鈍ったんじゃねぇのか?」





…いちいち、言い回しがむかつくの…。
だがしかし助けてもらったのは事実だ。
不甲斐ない…あの場で…和泉守が来なければ私は…。





麟翔「……折られていた」






最悪、左耳につけてある翡翠の耳飾りを割ろうかと考えていたが…。




翡翠『麟翔の本来の力は…ヒスイによって制御されているようなものだ…』




割ってしまえば、主が泣いてしまうかもしれぬ…。
否、これは妾にとって唯一、主とつながる大事なもの。
それは、此処にいる和泉守や、堀川もそうだ。





和泉「……さぁて…国広、麟翔…目の前の敵を…蹴散らすぞ!!!!」




堀川)「さん、あんまり無茶はしすぎないでよ」



麟翔「妾は貴様に指図される覚えはないが…昔の好だ…付き合ってやろう…!!!」
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