時代の遊子
□伍頁目〜戦、開幕〜
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堀川)キリが無いですね…政府軍に交じって…主義者の死角達が次々と…。
麟翔)…風情が無いね…、函館はこんな感じだったのか?
切り進めながら、幕府の陣地へと向け移動する二人。
麟翔は大砲の跡や銃の跡を見て眉を顰める
麟翔)…堀川よ…啓の主は此処で命を散らしたのか?
妾の主は長命で…人ではなかった。
【鬼】と呼ばれ時には神として時には災厄として時代とともに崇められたりされた。
堀川は碧色の目を悲しげに伏せて
堀川)――ここで、死んだ…と思っていました。
麟翔)…どういうことだ。
あの日……確かに前の主は…此の地で命を散らす筈でした。
身体に鞭を打ちながら蝦夷の開拓を進める主。
堀川『兼さん…主…大丈夫かな…?』
和泉『ここ最近一睡してねぇしな…。心配だが…見守ることしかできねぇよ』
机に向かってただ黙々と書類を書き続ける。
たまに外を見ては悲しそうに眉根を寄せていることが多かった。
土『…西園寺…沖田…おめぇらは…生きてるんだろ…?』
沖田…新選組、一番組組長の沖田総司。
彼と主は犬猿の仲だったのだが、主は主で心配をしていたのを知っている。
堀川)主は……蝦夷地の鬼ーー玖我峰琥珀に助けられました。
麟翔)玖我峰………そうか。
以前、麟翔の主である翡翠が第1子の時雨を懐妊した時
話していた…。
##NAM#2##『玖我峰家は…蝦夷地の鬼の一族を束ねる家だ。琥珀は…風間千景の妹…。
兄とは正反対だ。別名【雪牡丹ノ華】一族の要でな…医療の知識にたけているのだ』
だから救われたのか…いや、きっと違う。
もっとほかの理由があるはずだ。
思考をめぐらせながら目の前の敵を斬り伏せていく。
【キシャァァァァァァァ】
後ろから敵の短刀が襲い掛かってくる。
方向転換をし
バシュッと切り伏せた。
堀川)付きました…幕府の…陣地に。