時代の遊子

□弐頁目〜案内人〜
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刻一刻と時間は刻まれていく。



ーーーーー過去には二度と戻れない



今まで自分自身が斬ってきた人の人数は数も知らない。
覚えてなどいない。


ただ、前の主とともにーーそれが妾の誇りであり思いであった。



あることをきっかけに主は…試衛館へと潜り込み…そして


"誠"の御旗を掲げる新選組に入隊した。




翡翠『麟翔…しっかり働いてくれよ…』




もうあの声は二度と聞けない。
そう思った。



ふと、前を向いてみれば…白狐が里へ降り、山を出ようとしていた。
結界の外へ出るのは久しぶりであったのだ。




こんの助「最初は…函館に向かいます…【維新の記憶』に」




麟翔「函館……終結の地。」




崩れ去った五稜郭。
麟翔の記憶にあるのは…泣き崩れる…主の姿だった。





すみませんでした






私が…不甲斐ないばかりに






膝をついて、旗を抱きしめて泣き崩れる主を初めてではないが
あのように見るのは…初めてだった。





こんの助「やはり…辛いですか…?」




麟翔「嗚呼…此れ以上に辛いものなどありはしない。」




空を仰ぎ見れば綺麗な星空が静かにーーー瞬いていた






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