綴手記〜色彩ノ華〜

□如月〜雨水〜
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蔵の外から出たところで…俺に近寄る者はいないさ。
何せ俺は…霊力の高い…刀なんだからな


暗い方がお似合いなのだが…主にどうしても【雨水】について説明しろと頼まれた。


この【雨水】の時季になるとだな…んっと…字が汚いな…えっと…。



空から降るものが雪から雨へと移り変わり、氷が水へと変化する意味をもつ。


人になって初めて思ったが…季節とは素晴らしいものだと感謝しないとな。
まぁ…俺はまだそんなに蔵の外の世界は知らないが…。


おっと…説明が途中だった。


古来から…この季節から農作業を始める目安らしいな。
あと…春一番という風が吹くのがこの頃だ。


そういえば…前田と内番をしていたら…強い風が吹いていたが…あれが春一番なのか?


畑当番など…サボったところで麟翔が俺を…連れ出すんだ。


畑当番より…刀本来としての力を振いたいのが本音なんだがな…。




主、仕事はしたぞ…俺を蔵の中へと戻してくれ。



【如月〜雨水〜】大典太光世
 

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