死神と逃げる月
□全編
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《Q&A・6》
ナゼナニ女の子は好奇心の塊。
何か気になるものを見つけると、すぐに手を離れて行ってしまいます。
そして「なんで」「どうして」「フシギだね」と首を傾げる毎日です。
だけど悩みすぎは良くないですね。
頭が痛くなってしまいますよ。
「ああ、なんでだろうなあ」
ほらほら。
女の子の他にも、難問に頭を痛めている人がいたようです。
「ちっとも売れないなあ、ちくしょう」
「なにをウルの?」
ナゼナニ女の子は興味津々、スーツとカバンのお兄さんに尋ねます。
「あ、良かったら商品のカタログ……何だ子供じゃないか」
振り返った彼は深く深く溜め息を吐きました。
セールスマンのようです。
「空気清浄機なんて子供に言っても分かるまい」
「クウキセーゾーキ?」
「そうだよ、売れない空気清浄機」
「どうしてウレナイの?」
「うるさいな。こっちが訊きたいよ」
何をそんなに焦っているのでしょう。
ノルマを達成できなかったからと言って、その人の存在価値が無くなる訳でもないのに。
「ちょっと前までは、売れるようになってきてたのになあ…」
「ねえ、どうしてウレナイの?どうして?」
若いセールスマンは女の子を無視して行ってしまいました。
女の子は首を傾げます。
「フシギだね」