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□月輝※NL
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月明かりが照らす長い影。

傷だらけの男が、こっそりと夜の城へ入り込んだ。


冷たく長い廊下を慎重に歩き、白い、繊細な彫刻のある扉をゆっくり開くとギイ、と軋み部屋の中の座った影がビクリと動きこちらをみた。


「だれ。」


影が立ち上がりこちらへ近づくと、警戒する体を抱きしめた。


「───!」


柔らかな体から体温が伝わってきて、いとおしさが増す。


「いずの・・・」


「ただいま桃香。」
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