月の王の冒険

□惑星《セレネミス》
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光に飲み込まれてからいったいどのくらいが経っただろうか。とある森の中でラスは目覚めた。

「…チッ、どこだよ、ここは。
そんなことより、レイ! レイ、無事か?
どっか痛いとことかないか?」

周りを見渡すとすぐにレイに駆け寄る。
このような事態に陥っても相変わらず繊細な物に触るかのように抱き起こす。

ピクッ

瞼が震え、美しいアメジストの双眸が現れた。

『…うっ、ラス? ここは?』

「分からない、気が付いたらここに倒れていた。」

ラスに手を持たれつつ、ゆっくりと立ち上がったレイはひとまず森を抜けることを提案した。
何故かマップ画面が真っ白でここがどこか分からない以上、迂濶なことは出来ないので地道に歩いて行くことも。

ラスはレイを気遣い飛行を希望したが、レイは何があるか分からないので却下した。

『ここから二時間ほど歩いた所に人が住んでいる村があると木々が言っている。
そこをめざそう。』

レイは頭上を振り仰ぎ木々からの助言を受け入れた。
木々の声を聞くことのできないラスは《サーチ》を使って範囲内に人がいることを知る。
そのことをレイに伝えると、とりあえず接触することになった。

「対象は一人、プレイヤー情報が出ていないからNPCの住民だと思う。」

『なら、情報を持っている可能性は低い、か。
情報が得られなかった場合は村へ向う、いい?』

「了解!」
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