『好いておる』
そう言われたのは春が近付く3月のことだった
自転車に乗って学校に向かうおれさまと旦那
やっと蕾をつけ始めた桜並木の最中、
『ずっとお前を好いておった』
『どう思われようが構わぬ』
『どうか、想うことだけは許してほしい』
琥珀色の大きな眸が揺らぐ
おれさまは泣いていた
(来世では共に幸せになろう)
(春が来ると共に)
(お前に想いを伝えよう)
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