A Novel
□RKRN3
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※利こま
*おいしい誤解
忍術学園の事務員、小松田秀作は一を聞いて十間違える…と他者から言われる程人の話を聞かず早とちりをするタイプの人間だった。
今日もその歪んだ思考が遺憾無く発揮され利吉の言葉を百八十度ねじ曲げて彼の脳内に伝達されてしまった。
「私は君に何と言ったかな?」
「へ?床の準備をしておけ…と仰いました」
確かに言葉としては有っている。だが今、利吉の目の前で全裸待機している小松田には全く違う解釈で伝わっていた。
「僕何か間違えました?」
「間違えだらけだ!アホタレ!」
ガミガミと怒鳴った所で今の状況は何も変わらない。
小松田は利吉の“床の準備”を“利吉を受け入れる準備”と間違え、出来上がった体を利吉に晒しているのだ。恥ずかしげも無く体育座りをする小松田の菊門からは、肉体関係を持つ時に仕様する油が垂れ利吉の頭をクラクラさせた。
「どうしてそうなるんだ…」
困り果てて頭を抱える気にもなれない。そもそも利吉は人生の中で一度も男を抱いた事がない。忍務で女に化けていたら襲われそうになった事はあるが…その時はアホな男共を殴り飛ばせばいい話。しかし今回は自分が襲わなければならないような状況を小松田に作られてしまった。手を出さず追い返せばいい話なのだが、小松田の体の状態を見る限りそれも無理そうだ。
「私は男に興味はない…だから君の相手はできないよ」
「えー!せっかく念入りに準備したのに、僕どうすればいいんですかぁ?」
間延びした抗議の台詞に、自分が間違えたんだろ!と利吉が一喝するも小松田は頬を膨らませて利吉を睨むばかり。そんなに性欲が有り余っているなら忍術にも活かしてほしい。
「しょうがないですね。もともと僕のミスですし、吉野先生にでも相手してもらいます」
「え!ちょ…君何言って」
「だって…利吉さんシないんでしょ?体が火照っちゃって、このままだと寝れませんもん」
「な…な…だ、だからって誰とでもするのか君は!」
「ほぇっ?」
誰とでも?と小首を傾げる全裸の小松田、その動きに利吉の嫌な予感がジワリジワリと襲ってくる。
「僕初めてですよぉ?」
「なっ!」
開いた口が塞がらない。
初めてなのに自分で慣らしたり、好きでも無い相手に菊門を見せたりできるものなのか。そもそも慣らす事を知っていたのに利吉は驚いた。
「と!兎に角…一人で処理しなさい」
「一人でですかぁ…でも、もう指が届きません」
眉を下げて自分の指を見る仕草が生々しい。
どうやら小松田の指では気持ちいい場所まで今一歩届かないらしく、なぜか部屋をキョロキョロ見回す。
「利吉さん長い棒持ってませんか?」
「無いよ…あっても貸さないし」
「ふぇ…じゃあ仕方ないですね。ここでシてっていいですか?吉野先生僕と同室なので…絶対部屋に戻ったら襲っちゃいます」
「分かった…好きにしろ、私は寝る」
そう言い残して小松田を放置し利吉は布団を目深に被って眠りについた。
********
グチッ…グチッ
「ふぁっ…あん利吉さん」
「………」
「ひっ…んぐっ…ああ…り、吉さぁぁん…ふああっ」
「寝れるか!アホタレが!」
「あひゃっ!」
厭らしい水音、自分の名前を呼びながら喘がれては眠れるものも眠れない…利吉はとうとう布団を放り投げ激怒した。
「小松田君、せめて声は殺してくれないかな」
「だって…出ちゃいます」
「だってじゃない…っ」
口答えを叱るも、目の前で自分の菊門を慰める小松田の姿に軽い衝撃を受け利吉は言葉を飲み込んだ。蝋燭を付けていないが月明かりだけで忍の目ならある程度人を観察する事ができる。
「…クソ」
「ふえ?利吉さん?」
小松田の痴態は利吉の雄を掻き立てるには充分だった。利吉は小松田の体をうつ伏せに床に組伏せると盛った自分の男根を突っ込んだ。
「ひぐっ…あああっ!」
「うっ…」
どうやら小松田の初めてという言葉は本当らしい。突っ込んだ瞬間の千切られるような締め付けに利吉は思わず小松田に体を預けた。
「やぁっ…ふはっ、そんな…いきなり」
利吉が倒れかかった事で角度が変わり小松田は途端ビクビクと痙攣しだす。利吉は締め付けに苦しみながらも小松田の肩を抱きしめ腰を動かした。
「ふにゃっ…やっ…やっ…あっんんっ」
「凄っ…まるで女の中みたいだね、君の中」
「んん…利吉さん、気持ち…ですか?」
ガクガク体を揺すられながらも必死に利吉の瞳を捕らえようと揺れる瞳に利吉はたまらず唇を落とす。そのまま舌で耳をなめ回してやると後ろが反応して利吉を締め付ける。
「利吉さ…、利吉さん…イク…後ろでイっちゃう!あああああっ!」
「小松田君…俺も」
中のしこりを集中して突き上げると小松田は身を捩って利吉を見つめながら果てた。潤んだ瞳で見詰められ利吉も小松田の中に精を放った。
「ふはっ、むっ…ああ…」
ドクドクと体内に注がれる精液にも敏感に反応する小松田はいつまでも空イキを繰り返し、利吉が抱きしめている間体を痙攣させながら何度もイった。
「利吉さん…ベタベタしますね…」
「そうだね…もう眠いから明日にしよう」
「利吉さん?」
情事の後、二人は布団に移動する事無く抱き合ったまま床に寝そべっていた。だらし無いが仕方がない、布団に戻れば布団まで一緒にベタベタのパリパリだ。
利吉は目を瞑りながら不本意だ…と欲に負けた自分を責めていた。まさか小松田に欲情する日がくるとは…。
そんな利吉の悩みを知ってか知らずか小松田は利吉の唇に己の唇を重ねた。
ちゅう…と可愛らしい音をたてて離れるソレに利吉は目を丸くする。
「…利吉さん…気持ちよかったです、今日はありがとうございました」
ニヘラ〜…と締まりの無い笑みを浮かべる小松田に利吉の胸は無性に痛んだ。
「あのさ…私と付き合う?」
「ふえ?お付き合いなら今だってしてるじゃないですか…」
「そうじゃなくて…その…恋人にならないかって言ってるんだけど…」
「僕男だから利吉さんの恋人にはなれませんよ?」
素で利吉の胸にグサグサと刺さる台詞をハク小松田に利吉は深いため息を吐いた。
「ところで利吉さん」
「な…何」
「さっきから尻が痛いんですけど、これって痔の前触れですかね…」
END
行為の時しか色っぽくならないだろう小松田が好き。へっぽこなのに積極的で床上手とか萌え禿げる!