Novel

□僕はパー子に恋をする
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新八は最近ボーッとしていた。ボケをかましてもツッコミがワンテンポ遅い、それならまだましな方、無視される時もあるので神楽と二人で制裁をくわえること数回…、しかし新八の状況は一向に改善しなかった。


そんな新八のボーッとしている理由を知ったのは数日前のこと、俺がたまたまかまっ娘倶楽部の前を通かかり、化け物ホステスに捕まってしまった時。

ばっちりメイクをされた上にピンクの着物まで着せられ、あげくツインテールの付け毛までした俺は客引きをしてこいと通りに立たされ仕方なく客引きをしていた。


適当に二、三人のおやじを脅し、店に引き入れる。
そろそろ店の中に戻るかと思った時俺は背後に視線を感じ振り向いた。


新八だった…



俺は突然の新八の登場に驚き、固まったまま新八と見つめ合っていた。
行き交う人が邪魔でなかなか新八の表情が見えない、あいつ笑ってんじゃないか?そう思って、新八の顔が良く見えるように目を細めた。



新八の顔は真っ赤だった



そして俺と目が合っていることに気付くとさらに顔を赤くし、下を向いたまま駆けて行ってしまった。


えっ?なんで?

普段の新八なら俺を見たら声をかけてくるはず…、気をつかえるヤツだから、場所によっては声をかけないかもしれないが…、今の俺を見たら絶対からかいにくるはずなのに…。


何ですか?女装趣味…とか
キモい…とか

もしくは、呆れた顔して、あえてツッコミを入れない陰湿なやり方で俺をバカにするはずなのだ。


それが、なぜ赤面して走って行った?

上司が恥ずかしくて?

なぜ?


そしてもんもんとしていた俺にヅラは言ったのだ…(っーかお前、どこから湧いてきた!)


「新八君は…パー子に恋でもしてるんじゃないか」



…と……



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