私は、関係ないです。
□act.26
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それから毎日下駄箱への嫌がらせが続いた。
姫野サンのイジメレパートリーまじパネェ。
毎日違うものが入ってるんだもん。
最初は画鋲だったけど、その次は裁縫針。
からの砂、納豆、腐った?卵とか…
ちょっと王道な何かの死骸とかは入れられてない。
本人がダメなのか。まぁ殺生はいけないよ。
私も2日目から学習して、上履きも何も入れないようにした。
毎日お持ち帰りは正直面倒だけど、買い換えるより全然マシだし。
こんな陰険なことをあの子はいつまで続けるのかねー…
『ふぅ…』
明日で謹慎だったちーちゃん、しーちゃんがやっと学校にこれる日。
そう考えれば今日は乗り切れそうだわ。
徹底的に無視してても、うざいもんはうざいし。
日に日に私の性格の悪さが出てきちゃってキャラ崩壊注意報出てるからね★キラッ。
…あーサーセンした。
「名無しちゃん、おはよう。」
『ん、おはよーぅ。』
今日も可愛らしいね佐藤さん。
「…また今日もやられてたよね?」
『あー…まぁ、うん。』
「先生に言ってないの?」
いや、言おうと思ってたんだけど1時間目終わったら忘れちゃうんだよね。
朝は職員会議中で入れないし。
『じゃあ今日言うわ。』
「え、今日?!」
目の前で佐藤さんが目を丸くさせた。
いや、だって思い出したの今日だし…
『佐藤さんのおかげで思い出せたし。ありがとう。』
「え?あ、うん…頑張ってね。」
なんだかしーちゃんに似てるんだよなぁ…
守ってあげたい妹キャラみたいな。あ、素晴らしい。
という訳で、今日で姫野サンの嫌がらせから抜けられるようです。
さっそく職員室行ってくるかな。
うまくいけば次の授業サボれるし。わーい。
―ガラッ…
『失礼しまーす…』
…あれ、担任いないや。
こーゆー場合って誰に話せばいいの?出直す?めんどいな…
一気に校長の所へ行ってやろうか。
…や、でもちゃんとした証拠ないし…
同情で動いてくれそうな先生は…あ、いたいた。
「おー名無し、どうした?もう授業始めるぞ?」
『…ちょっと先生に話あるんですけど。』
「…真剣な方で?」
『まぁ、はい。』
ここじゃちょっと、と言うと空気を読んで場所を変えてくれた。
コンピューター室に。
はい、目の前に座るのは担任より仲がいいかもしれない、うちの顧問です。
「…で、どうした。」
『先生、私がイジメにあってるって言ったら信じます?』
「えぇー重いな。俺そーゆーの苦手なんだけど。」
知ってるよww
てか教師としてその対応はどうなんだよ。
『先生ならなんとかしてください。困ってるんです。』
「先生にも出来ないことがあるんだよ。担任に頼め。」
おいおい。教育委員会に言っちゃうぞ?
やっぱ人選ミスったかな。
『せめて根回しくらいは協力してくれません?』
「お?教育委員会に出す的なやつか?そんくらいならいいぜ。」
えぇぇぇぇぇ。
もう突っ込む気も起きないけど、敢えて言おう。
『基準おかしいだろ。』
「おいおい、“優等生”の名無しじゃねーの?」
あ、やべ。
…この顧問、本当何考えてるかわかんないわ。
まぁこの部活続けてる理由の1つだけどさ。
「まぁやってやるけど、たまには部活来いよ。テニス部ばっかにかまってると、他の奴等うるせぇから。」
他の奴等、ってのは多分マルチ部員のことかな。
そーだねー最近全然会ってないし…
幽霊部員だから前もそんなに会わなかったけど…
『…その内来ますね。』
「ん。じゃあもう授業始まってるし、めんどいからここでそのイジメの証拠ってやつ掴むか。」
…は?
え、この人本当に教師ですか。