私は、関係ないです。

□act.24
1ページ/4ページ


よっしゃ球拾いしゅうりょー。

姫野サンまじうける。戸籍のこと言っただけで動揺してやんの。

あんな行動したら、もっと調べたくなるじゃんねー?


まぁいーや。とりあえず仁王君に話をしに行こうかな。


球拾いを終わらせて、平部員が打っているコートへ向かう。

…それにしても、よくわかったな私。

まぁ偶然だったんだけど。



『おいこら何遊んでんの。』


黒髪のラリーをしている2人に声をかけた。

背の高い方がボールをネットした。やっぱりか。


「…あ、名無し先輩じゃないですか。」


そのまま私に笑いかけてくる。

2人共眼鏡をしてるけど、そんなんじゃごまかされないからね。


『君らは向こうでしょーよ。邪魔しちゃ駄目だと思う。』


そう言ってレギュラーコートの方を指さすと、2人は辺りを確認してから私に近づいた。


「…どうしてわかったんじゃ。」

「俺も結構バレないと思ったぜぃ。」


だってね、柳君と話してる最中に偶然黒髪少年が人間技じゃないネットプレーしてるの見えたんだよ。

もうそれだけでわかったし。


『企業秘密ですー。ほら戻って。』


「だってブンちゃんが俺を隠してくれって頼んだんじゃ。」

「しょーがねぇだろ!!」


ちょっと話そらされた?

まぁいっか。意味わかんないから詳しく聞いてみよ。


『何で隠して欲しいの?』


「…姫野の奴が異様にベタベタしてくんだよ。しかも性格が全然違うんだぜぃ?」


『…は?』


「ブンちゃん曰く、“目が覚めたんでしょ?”」


『はぁ?』


意味が分からないからね。

目が覚めてベタベタしてくる?は?何?


「何を勘違いしてんのか知らねーけどよぃ、俺が姫野のことを好きになったとか思ってるらしいぜぃ。」


『…痛い。激しく痛いよそれwwww』


姫野サン、どうしちゃったの?w

やばいこれは本人見たら爆笑するぱてぃーんだww


「…多分、あれが原因じゃろ。」


『…あれ?…って、あぁ!』


隣りでブン太君がなんだよ?みたいな顔をしている。

一応被害者な訳だから、私から説明をしてあげた。


「…はぁ?!仁王、ふざけん…って、お前…」

「落ち着きんしゃい。一番の被害者は俺じゃ。」


そうだね。どんまいだよね。


『まぁキスなんてただ口くっつけただけじゃん?』


「お前な…でもそれが俺の姿ってのは…げぇ…」


『見た目可愛いからいいじゃん。』


「見た目だけじゃろ!あいつの本性知ってるから最悪だったナリ…」


ありゃりゃ、げんなりしちゃった。

こーゆー時、積極的な少女漫画みたいな女子だったら“消毒☆”とか言って自分でちゅーするんだろうなぁ…


「…お前さん、声出とる。」


『え…』


ちょ、今のは恥ずかしかった!!さすがに!!

ブン太君顔赤いし!!うわぁ、ごめん。


「…っ、馬鹿!とにかくお前のせいだかんな仁王!」


「俺も被害者ナリー…」


『とりあえず練習行っとけ。』


ブン太君は姫野サンがいないことを確認してから戻った。

私は仁王君を引き止めて話をさせてもらうことにする。


「…なんじゃ?」

『あのさ、前協力してくれるって言ったよね?』


「おぉ。」

『じゃあちょっと、お願いがあるんだけど。』


そこで私は姫野サンの戸籍がないことを仁王君に話した。

もちろん教師のパス盗ったとか、そこらへんは伏せてね。


「ほぉ…変じゃのぅ。」


『でしょ?私は裏があると見た。』
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ