私は、関係ないです。

□act.23
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―ピンポーン…


《どちら様でしょうか。》


『名無しですけど…』


《あぁ、どうぞお入り下さい。》


いつ見ても馬鹿でかい家だと思う。

私のアパートの部屋の何個分だよ。


インターホンを押して答えると、目の前の柵が自動で開いた。

奥へすすむと大きい玄関。


『おじゃましまーす。』

勝手に入ってスリッパを履く。

靴はちゃんとそろえたよ!!偉いでしょ。


「久しぶりです名無し先輩ー!」

「いらっしゃい名無し。」


階段からちーちゃんとしーちゃんが降りてきた。

そうです。ここは金持ちな櫻井家です。


『いつ見ても羨ましい家だよね。私も住まわしてくれよ。』


「こんな家でよければいつでも来てください!」

「そうね。家賃5万て所かしら。」


まじか安いな!!

でも友達ならタダにして欲しかったな!!


『部屋行っていー?』


「えぇ。志乃、連れてって。」

「はい。」


しーちゃんの後に付いていく。

ちーちゃんは来ないのかしら。まぁくるよねその内。


しーちゃんが案内してくれた部屋に入ると、すぐにちーちゃんがジュースが乗ったお盆を持ってきてくれた。


『ありがとー。持つ持つ。』

「机だすわね。」


クッションと小さめの机を出して、いざ女子会開始。

こんなノリが嫌いじゃない。むしろ好きだ。

相手がちーちゃんとしーちゃんだから楽ってのもあるけど。


「…で?私達のいない1日目はどうだったの?」


『寂しくて泣きそうでした。』


「私もですー…」


『あとちーちゃんのせいで無駄に疲れました。』


「…あら。ふふ。」


ちょ、微笑み殺し使うなよ!!

しーちゃんは可愛いよ!!マジ天使!!


『…まぁ、会長代理のことはスルーしておいて、』


「名無し先輩、やっぱり無理でしたかー。」

「予想通りよ。」


じゃあ何で変な連絡回したの?!

完全に八つ当たりでしょちーちゃん?!

私に姫野サンのストレスぶつけないであげて!!


「どうせ、私じゃなくても名無しを苛々させる要因はあったでしょう?」


『…その通りですよー。聞いてよ。やばいよ爆笑だよ。』


今日あったことを包み隠さず全部話した。

途中、しーちゃんが持ってたコップがミシミシ鳴ってたのには触れないでおく。

ちーちゃんが空になったジュースのパックを一瞬で潰したのにも触れないでおく。


「…で、仁王君は特に何も?」


『…何もって、何が?』


「吐き気、頭痛、腹痛、幻覚、気管支炎、動脈硬化とか…」


『姫野サン=ウイルスですねwわかります。』


どんな扱いされてるの姫野サン。

てかちーちゃん真顔で言われても面白いだけなんだけど。


『仁王君の姫野サン嫌い度がまた上がったよ。』


「そう…私達が手出し出来ない分、名無しよろしくね。」


『は?私にふる?』


「名無し先輩、頼りにしてますねっ!」


『任せておけい!!』


…って、何かしーちゃんの可愛さに乗せられた?

だってあんなキラッキラな目されてお願いされたら了解するしかないでしょーよ!!


『…でも私は指示されないと動かないタイプなんで。』


「めんどくさい子ね。」


『サーセン。』


「適当に姫野を殺しちゃえばいいんじゃないですか?」


『適当の度合いがアバウトすぎるね。』


それは完全にやびゃーだよ。

あ、やばいってことね。


「じゃあ、名無しに良いこと教えてあげるわ。」


『何?』


「姫野雫を潰すためのヒント。」


…ヒント?方法じゃないのか。

あとは自分でどうにかしろってことだよねそれ…

はぁ……


「戸籍がないのよ、彼女。」



…は?


『意味不明。』


「だから、ヒントって言ったでしょう?はいこの話は終わりよ。」


その後は、無理矢理話をそらされ、ちーちゃん家に泊まりました。

…だから意味不明だって。
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