1周年記念!

□(立海式夫婦ごっこ)
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『…平和だねぇ幸村君。』

「そうだね。」


『…平和なのはいいんだけどね幸村君。』

「どうしたの?」


『…なんでココにいんの?』

「遊びに来たから。」


ニコニコと笑って堂々とお茶を目の前で飲む幸村君はあれだ。天使だ。

いやそうじゃなくて。


『帰れよ。』

「俺の家今入れないんだよね。」

『窓から入れ。』

「通報されたらどうするの?」

『知らない。』

「冷たいね名無し。」

『ごめん調子乗った。』

「わかればいいんだよ。」


…いや、何もわかってないんですけど。


事の始まりは僅か30分前。

今日は土曜日で、午後の練習が終わってから外が暗いということで幸村君と一緒に帰ってきた。

まぁ休日練はほとんど一緒に帰ってるんだけど…


それで、いつも通りバイバイをしようとしたら…


「俺、家の鍵忘れちゃったんだから。」

『このやろう。』


…てわけです。

同じマンションだからって、何も私の部屋に上がり込むことないじゃないか。


『一応乙女の部屋なんだけど。』

「まぁ前にも入ったことあるし、いいでしょ?」


『う…』


そんな美人な顔で見つめないでくれよ…!

くそう、今はストッパーのジャッカル君もいないし…というか!


『2人きりか!』

「そうだよ、今更何言ってるの?」


びっくりしすぎて声に出してしまった。まじか。

あの幸村君を家にあげたとファンクラブに知られたらどうなるんだ…


「別に、どうもしないと思うけど…。」

『うわー頼む幸村君ファンクラブにチクらないでリンチ怖い。』

「そっち?」


そうだちーちゃんに承認メール求めようかな…


「チクらないし。その代わり今出て行かせようとしたらそれこそファンクラブに言っちゃおうかな?」


『よし幸村君、お腹すいてたら夕飯とか作ってあげるよ何がいい?!』

「…わかりやすいね。」


そりゃあね!

ファンクラブ怖い!

ちーちゃんに無断てところももっと怖い!


「なんでもいいよ。」

『何が?』

「ご飯、作ってくれるんでしょ?」

『え?!』


「…今自分で言ってたのに…」


あ、呆れた目を向けられた。

ご飯か…ご飯?!

え、私の料理なんかを幸村君に食べさせていいの?!

どうしよう、フルコースとか用意できねーよ私…


「簡単なのでいいから。」

『…まじ天使…』


「だって名無しがすごく思いつめた顔してるんだもん。」


そう言ってクスクス笑う幸村君。くそう汚い私の部屋でも絵になるな。


『…でも、今ご飯なんか食べて家の人との夕飯どうするの?』


「メールしておくから大丈夫だよ。」


『…まさか泊まったり…』

「しないから安心して。」

『ですよねー。』


今考えることのできる最悪の場合は避けられた。

いや別に、幸村君を泊めることが最悪なんじゃなくてファンクラブ的な意味でね…
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