私は、関係ないです。

□act.52
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「色々と本当に世話になったね跡部。」

「あぁ、また来い。名無しはまた連絡しろ。」

『あーはい…部活が無い時に…』

「今度来た時はテニスコートにも顔出してな、名無しちゃん。」


あはは…と適当に笑って返す。

氷帝にはどうせまた来るからね、バイトで。

でもテニスコートのほうには行かないかな…氷帝のファン怖いし。



程よく挨拶も済んだことだし、先にバスに乗っていよう。


そう思ったところで、後ろから財前君と忍足君に声をかけられた。

うぅ…昨日の夜のキス未遂のことがあったから正直顔合わせたくなかったよ…

それも無理な話だけどさ…


「名無しさん、また会えるとええな!」

『うん、元気でね忍足君。白石君にもよろしくね。』

ちらり、と幸村君と跡部君と話している白石君を見る。

彼には助けて貰った記憶がいっぱいだ。

もうBBQの時とかにお礼は言ったけども。


「…名無しさん、メールしてくださいね。」

『あ、うん、するよ?するする。』

「…する気ないやろ。」

『そんなことないってー。…ちょっと忍足君、どこへ行くの。』


財前君に苦笑いで返していたら、そろりそろりと忍足君がその場から抜けようとしていた。

…ので、引き止める。

おい、私と財前君だけにしないでくれ。なんとなく気まずいんだって。


「えっ、あ、いや、2人っきりのがええんかと…」

『そんなことないよ。』

「その通りですはよ消えてください謙也先輩。」

『えっ』
「えっ」


私と忍足君の声がぴったりハモった。

ちょ、財前君、はっきり言いすぎですよ。


「す、すまん財前!でも言い方きをつけろや!」


そう言うと忍足君はスピードスターの名の通り、ものすごいスピードで四天のバスのほうへ走っていってしまった。

…まじか。


「……名無しさん。」

『ん?』

「…昨日のこと、気にしてるんですよね。すいません。一晩寝たら反省したんで。」

『お…おう!それはよかった。』


財前君いい子に戻ってる!よかった!

嬉しいよ、ちゃんと反省するなんて。ピアスしてるくせに反省するなんて。

あ、ピアス関係ないか。


「…でも、あのまましてもよかったんですけどね。」

『なっ…ざ、財前君、先輩をからかうのはやめよう。』

「からかってないっすわ。」


反省してんのかそれ!!!

もうこれ以上私の心拍数を上げるようなこと言うのやめてくれ…

イケメンは心臓に悪いです。


『神奈川に帰ったら修行してやる…ちーちゃんに護身術教えてもらうんだからな…』

「なんですかそれ。」

『財前君が私のこと無防備って言うからだよ。』

「そういう意味やないですけど。…ま、しゃーないっすわ。」


何が仕方ないんだ。それ言えばなんとかなると思ったら大間違いだぞ!
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