OKADA'scafe
□祇園祭
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撮影はどちらかというといつも巻き気味なのに、今日は何故かスケジュールより早目に終わった。
准一が帰る支度を始めると、スタッフの皆で街へ出ようと大御所の俳優が言い出し現場はその話で盛り上がる。
『勿論、行くだろう?』
自前のディレクター椅子に座って、扇子で扇ぎながら准一に言う。
『あ…。えっと…。』
『よし、決まった!』
准一の半端な返事を遠慮していると勘違いしたご機嫌な俳優は
京都は任せておけ
と、マネージャーに目配せをして店の手配を始めた。
まさかこの状況の中
“彼女がきてますから”
なんて言える訳もなく…
とりあえず、大御所俳優の好意を有り難く承けることになった。