OKADA'scafe
□本音
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夢と現実を微睡んでいると、携帯が鳴った。
私は枕元に置いてある携帯に手を伸ばすと、殆ど習性の様に通話ボタンを押す。
「もしもし…?」
頭は働かないけど、この言葉は出てくる。
『あこ…?
もう寝てた?』
「ううん…。大丈夫。
お疲れさま。」
『ん…』
「今終わり?
今日も暑かったね…」
准は新しい映画が決まった。
撮影期間は六月からの約二ヶ月という強行スケジュール…
レギュラーやコンサートもあって、それに加えて地方ロケの仕事をこなしていた。
逢えない淋しさより身体の方が心配かも…。
【本音】
准はいつも仕事が終わると、決まって電話を掛けてきてくれる。
准も疲れてるし、あまり喋る訳じゃ無いんだけど
こうして繋がってるのがいいんだって…
「…でさ、おかしいから店員さんを呼んだの…
…准?聞いてる?」
『あ、…うん。
聞いてるよ?』
「この間みたいに寝ないでよ?」
『分かってるって…』
心地良い低い声は少し疲れているのか、いつもよりトーンが下がってる気がする。