OKADA'scafe


□本音
1ページ/7ページ



夢と現実を微睡んでいると、携帯が鳴った。



私は枕元に置いてある携帯に手を伸ばすと、殆ど習性の様に通話ボタンを押す。


「もしもし…?」



頭は働かないけど、この言葉は出てくる。



『あこ…?

もう寝てた?』



「ううん…。大丈夫。
お疲れさま。」



『ん…』



「今終わり?
今日も暑かったね…」



准は新しい映画が決まった。



撮影期間は六月からの約二ヶ月という強行スケジュール…






レギュラーやコンサートもあって、それに加えて地方ロケの仕事をこなしていた。



逢えない淋しさより身体の方が心配かも…。





【本音】





准はいつも仕事が終わると、決まって電話を掛けてきてくれる。


准も疲れてるし、あまり喋る訳じゃ無いんだけど





こうして繋がってるのがいいんだって…








「…でさ、おかしいから店員さんを呼んだの…


…准?聞いてる?」


『あ、…うん。
聞いてるよ?』


「この間みたいに寝ないでよ?」


『分かってるって…』




心地良い低い声は少し疲れているのか、いつもよりトーンが下がってる気がする。



 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ