喫茶 GO
□最終の新幹線
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何度このホームで剛との別れを惜しんだだろう。
【最終の新幹線】
新幹線の時間が近づいて来ると剛は途端に無口になる。
ずっと繋がれたままの私の右手と剛の左手。
絡めた指がお互いを確かめあう。
“次はいつ逢える?”
なんて考えるより、今の一分一秒を大切にしたい。
剛とのこの瞬間を思うだけで精一杯。
不意に繋いだ手を引き寄せられて、私は剛の腕の中に包まれる。
剛『なぁ…あこ…あのさ…』
普段から恥ずかしがりやの剛が人前でこんな事をするなんて…
声のトーンも今までと明らかに違うし。
何?…何かあるの?
私は急に不安になって、剛の胸にしがみついて顔を上げれない。